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金色のコルダ3の二次創作小説ブログです
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「水花火」に拍手ありがとうございました。


今日から十月ですね。
就活という単語がじりじりと近づいてビビッて降ります。

そんな今日十月一日は何の日か。
そうです。われらが部長東金千秋の誕生日!!!
お誕生日おめでとうございます。
千秋のひたむきに努力し続けるところが特に大好きです。
これからも神南アンサンブルを支えてください。
追いかけ続けますので!!!

というわけで、今日は千秋のおたおめ小説。
東土です。腐向けです。
苦手なかたはご注意下さい。


拍手[5回]






庭にあるししおどしの音だけが耳に届く。
はっきりと、その音だけが鼓膜を揺らす。
そんな静かな夕暮れ。

「……なぁ、千秋。そろそろ"コレ"やめへん?」


言うと同時に自身の膝を見下ろす。
降り畳んだ足の上にあるのは金色。
窓から差し込む夕暮れ色にほんのりオレンジ色に染まる髪。
自分の髪とは違いしっかりした髪質のそれに指を差込み梳く。
それが心地良いのか、それとも単に甘えたいだけなのか。
かれこれ小一時間この状態だ。



幼馴染であり恋人でもある千秋は、普段はあまりみせることのないだらけきった様子で自分の腿に頭を乗せている。
いわゆる膝枕の状態。


「今日一日は俺の言うこと聞いてくれるって言ったのはお前だろ」
「言うたけど……」


今日一日連れまわしておいて。
思わず苦笑がもれる。
文句を言いたいわけではない。
自分だって今日一日彼と過ごせて楽しかったのだから。


十月一日。
十月のはじまりの日は、今膝の上で猫のように丸くなっている幼馴染の誕生日だ。


『今年はどうするん?』
そう毎年恒例の問いかけをしたのは一週間前。
相変わらず主役だというのにこちらには何の準備もさせずに『空けておけ。付き合え』の二言だけで今日を迎えてしまった。
もちろん、プレゼントを用意はしているが。


朝起きてみると千秋から出発予定の時刻を知らせるメールが届いていて、寝坊してたらどないすんねん。なんて呆れながら準備を進めた。
まぁ、これも毎年のことなのだから大体は読めてはきているし、千秋もだからこそ連絡を当日になんてことをしてくるのだろうけれど。
ともかく用意を進め、出発予定の時刻に外に出ればタイミングよく実家の前に一台の車が止まる。
見慣れたその車の助手席に乗り込んで、それなりに早い朝であるにも関わらず眠気の一切感じられない幼馴染に挨拶を済ませた。


いつも通り千秋お気に入りのクラシック曲を千秋の鼻歌交じりに聴きながら連れてこられたのは隣の府である京都だった。
紅葉の季節にははやいにしろ、夏の猛暑と比べ幾分か歩きまわりやすくなった為か修学旅行生を筆頭に観光客でそこはごった返していた。
そんな京都の街中を、楽しそうに前をいく千秋とはぐれてしまわない様に普段は外で繋ぐことのない手を繋いでついていく。
道路に面した店で食べ物を買って、それを食べながら歩いたり。
坂を上った先にあるお寺をみたり。
さすがにコレだけの人が集まる観光地だけはある。
たった半日ほどの時間で教科書に載っているような神社仏閣をいくつも回ることができた。


そんな風に日中を過ごし、今に至る。
今日の街中から少し離れた料亭旅館。
昼間の喧騒が嘘のように静まり返った世界。


女将が館内の説明をすると共に煎れてくれていたお茶を飲もうとしたところで隣に人影を感じた。
とも思えばその影はすぐに消え、代わりに腿に重みを感じる。
いきなりどうしたん?そう問いかければ、疲れた。寝る。と、どこか照れくさそうな声が返ってきた。
まったく、照れるならやらなければ良いのに。
そんなことを思いながらも甘えてくれたのがなんだか嬉しくて、その金色の髪を梳いた。



「あと少しでいい」


ため息を一つ。
わざとらしくついて肩をすくめる。
本当にいやならば立ち上がることもできるのだ。
それをしないということは、退けの本心で言っているのではないことを千秋もわかっているのだろう。


「夕飯の時間までな。それ以上やったら足がしびれて歩けんくなってまうわ」
「そしたら運んでやるから安心しろ」
「なんの嫌がらせや」


梳いていた髪から指を離し、そろえてぺちんと頬を叩く。
冗談だと千秋が肩を揺らした。


「千秋」
「ん?」


両手で千秋の頬を包み込む。
こちらを向いてほしいという意図が伝わったのだろう。
丸まって横向きに寝ていた身体を伸ばし、仰向けになって自分を見上げてくれる。
見下ろせば、長い髪がカーテンのように二人を囲んだ。


「お誕生日、おめでとう」



言いながら顔を近づける。
片腕が首裏に回され、ほんの少し身を起こした千秋と唇を重ねた。



 

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プロフィール
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藍染
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自己紹介:
藍染と書いて「あいぞめ」と読みます。
・ちあほう
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・長八木
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